読書録ユトリ

主に小説・漫画の感想を綴っていくブログ。

【レビュー】冨樫義博の真の代表作「レベルE」の魅力

今回、ご紹介するのは、レベルEである。

これは、あの「幽遊白書」や「HUNTER×HUNTER」でお馴染みの冨樫義博先生が描いた漫画だ。


冨樫先生といえば、休載しまくりで、漫画を描いている方が珍しいような状態が続いており、ネットではネタにされている事も多い漫画家である。「HUNTER×HUNTER」は、ストーリーが面白くて、続きが気になって仕方がない漫画の一つなのだが、いかんせん、休載しすぎて、全然進んでいないのでショックである。

 

NARUTO」や「BLEACH」など、少年ジャンプを黄金期を支えてきた漫画が次々と終わりを迎える中、この「HUNTER×HUNTER」は、まだまだ少年ジャンプを支える漫画になると思う。というか、休載していなかったら、「NARUTO」とかよりも、先に完結していた可能性もある。それだけ休みまくりなのである。残念だ。

 

冨樫先生の代表作は、「幽遊白書」や「HUNTER×HUNTER」を挙げる人がほとんどだと思うが、私は違うのである。この「レベルE」こそ、冨樫先生の本領が発揮された代表作だと思っている。ちなみに、この「レベルE」は少年ジャンプで連載されていたが、アシスタントを使わずに、一人で描いたという実験的なものだった為、月一での連載だったとの事。


レベルE」の魅力

HUNTER×HUNTER』の冨樫義博が世に問う異色の連作集! 宇宙一の天才的な頭脳と美貌、そして最悪な性格の持ち主・ドグラ星第一王子…人呼んで「バカ王子」。その魔の手から地球を守るのは…熱血健康優良野球少年7番レフト・筒井雪隆。襲い来る魔物の群れに…不承不承立ち向かう悪ガキ5人組。その智略を尽くした剣・棒・術・策! 塾があるのに…。塾か? 世界平和か? そして…廊下は走るな!(背表紙より引用)

 

簡単にいうと、宇宙人を題材としたSF漫画である。
地球にやってきたドグラ星というバカ王子が、暇つぶしに起こす悪ふざけが描かれている。

 

なんといっても、冨樫先生のアイディアは本当に凄い!
よくもまあ、これだけのストーリーを一人で練れるものだと感心する。もともと冨樫先生は、ホラー・オカルト的なものにも詳しいので、こういったSFものは、得意分野なのかもしれない。

 

この「レベルE」は、いわゆるオムニバス形式で、バカ王子の騒動に巻き込まれる物語である。(一部例外もあるが)
幽遊白書」を既読の方は、魔界トーナメント編が終わってからの話をイメージしてもらうと良いかもしれない。幽助や蔵馬が、探偵のように、事件を解決していく話があったと思うが、「レベルE」は全体的にそのような雰囲気の漫画だ。

 

バカ王子に拉致されて、いつの間にか、カラーレンジャー戦隊として闘う事を余儀なくされた小学生達。ポルターガイスト現象で悩まされていた野球部に襲いかかる謎の事象。

文字にすると、魅力が分からないかもしれないが、とにかく面白いのである。
これは、もう本当に面白い。ネットなどのレビューサイトを見ても、かなり高評価なので、それだけハマっている方が多いのだろう。

 

この漫画は、単なる宇宙人が出てきてバタバタする話ではないのである。
冨樫先生の構成力・知識力・創造性といった才能が爆発しているのである。キャラクターも魅力的な人物ばかりだし、さすがの一言だった。

 

最後に

冨樫先生の漫画が好きな人で、未読な方は、必ず読んで欲しい。
これを読まずして、冨樫先生の作品を語る事は出来ないんじゃないかって程のレベルなので、騙されたと思って読んで頂きたい。
他にも、SFが好きな人は、絶対にハマると思うのでオススメです。終わり。